愛するものが、自分の行為によって傷つく。愛する者の心に自分に対する失望が芽生え、愛されないのではないか。愛されるためには、自分という存在は誰も傷つけることはできない。その強烈な深層の恐怖は、愛する者の傷つく表情を消し去るために、愛するがために殺していく。
子供が母親に無条件の愛をもって接していると、親はその愛を利用して、不機嫌な顔をして子供を操作しようとする。その不機嫌な顔は子供にとっては恐怖である。愛されなくなるのではないかと。その恐怖の極限には、このような結末が待っている。
愛するがゆえに、殺す。愛され続けたいゆえに殺す。結末が全てを物語る。
原作も大変有名であるが、見事にそのテーマを表現している。