太極拳は太極、すなわち、陰陽が混沌としてバランスが取れている状態です。
人間の自律神経も陰と陽で表すことができますが、自律神経という風に、意識的にどうにかすることができません。
そこで、太極拳は意識にまだ上っていない意を使って、意識などを使わないようにして本来はおこなうのです。
意識を使った套路をすすめているところも多いようですが、太極拳はできるだけ、自律的に無意識に、意を使って意識などの力を使わない、用意不要力で動くことです。
人間の当たり前の動きは、ホメオスタシスという恒常性維持が働き、いつも安定しようとしています。
その自然な維持機能を、意識せず自然に働かせておけば、もちろん血圧も安定します。
套路をやる時は、動きの陰陽を意識しないことです。自律的に結果的にそうなるだけです。それが虚実や、発蓄、吐納などとなるだけです。
套路で動きを意識すれば血圧は不安定になります。意識で動くなどもってのほかです。
当たり前にただ気持ちよく、おおらかに心にのるように、大河が滔々と流れるように套路は行ってください。
用意不用力です。
用意識不用力ではありません。意識も有為の力です。武当派では当たり前にこのようなことを理解しています。
最近、一般で普及している太極拳を習っている方で、脳梗塞や脳疾患が増えているということをよく聞きます。癌の人も多いですね。
間違った太極拳は、意識的に攻防を行うような一部の格闘技のように、健康を害することもありますので気をつけた方がいいでしょう。